天職だとしても雇ってもらえるとは限らない(人生を遡るシリーズ⑤)
人生を遡るシリーズ⑤〜⑦は、時系列としては同時進行で学生時代の話をする予定です。
学生時代に大きな書店でアルバイトをしていました。大学が教育学部だったので、塾のアルバイトをする同級生が多かったのですが、教育に関わるのは後からでもできると思って、販売のアルバイトを選んだのです。これがめちゃくちゃ楽しかったです。
始めたての頃はまあ仕事ができないやつで、怒られてばかりでしたが、慣れてくるとできることがどんどん増えていきます。お客様のお問い合わせに答えるのがいちばん楽しかったです。
「今朝のテレビでやっていた」「最近話題のあれ」などの、断片的な情報から、目的の本にたどり着くまで、早押しクイズ。
インターネットが使える方はタイトルまで調べてからいらっしゃいますが、書店で店員を捕まえるのはそうでない方。目的のご本にたどり着くとすごく喜ばれます。
アルバイトの気楽さで、分からないお問い合わせは社員さんに投げてしまえば良いし、ちゃんと対応できれば喜ばれるし、永遠にここで働きたいと思っていました。
バイトの先輩や後輩とご飯食べに行くのも楽しかったなぁ。
そういえば、最初の彼氏と、2番目の彼氏と、3番目の彼氏はここの本屋バイトつながりです。当時を知る友人に「本屋のバイト楽しかったなぁ」と言うと、「そりゃ彼氏とずっといたら楽しいでしょ!」と言われました。そうか。でも、仕事が楽しかったのが先です。
この本屋で働きたいと思って、新卒採用に応募しましたが、書類落ち。ものすごく落ち込んだのを覚えています。
この書店、会社は今もありますが、アルバイトしたお店はもうありません。このときは、書店業界自体がリアルからインターネットに代わっていく、その曲がり角にありました。
それがもし天職だとしても、雇ってもらえるとは限らないのです。いつかは本に関わる仕事をしたいな、とは今でも思っています。