とらぬたぬきの皮算用

中小企業診断士を目指しています。

子乗せ自転車

なんとなく、今に至るまで子乗せ自転車を買っていない。あれば便利だろうけど、なくてもなんとかなっているしなぁ、でここまでやってきた。

私自身は2人兄弟なのだけど、私の母の自転車には、後ろにしか子どもを乗せる席はなかった。前後に乗せると怖いらしい。したがって、その席に乗るのは常に幼稚園に行きたくない弟で、私はほとんど乗った記憶がない。自転車を引く母の後ろをてくてくと歩く。

時は経ち、高校では剣道部に入ってしまった。肩紐で防具を背負って、後ろの荷台に置いて、毎朝自転車で爆走する。後ろに重心があるから安定せず、3年間で何度か派手に転んでいる。雪の日なんか最悪で、道を曲がることができない。遠心力がすごい。

今度は時を遡り、私が生まれる前のこと。父方の祖父は、父が子どもの頃、交通事故で亡くなっている。祖母は生命保険で家を建て、タイプライターをうちまくり、子ども2人を育てたという。父はあしなが学生募金奨学金で大学に行ったと聞く。この祖父に会ったことはないので、悲しい気持ちはない。でも、「交通事故で人は死ぬ」という事実はずっと心のどこかにはある。あしながさんの募金箱は見つけたら小銭を入れる。

というエピソードをつなぎ合わせて、なんとなく私は子乗せ自転車を買わずにやってきた。自分は自転車に乗るし、通勤でも使っていたけど、子乗せの席がないものを使っている。

保育園は家から近い。つい最近まで、子どもは「あたちベビーカーにのる!」と言っており、対象年齢、重量制限、ともに超えたベビーカーにどっかり乗って登園していた。しかし、最近、ベビーカーに乗るのはちょっと恥ずかしいという意識が出てきたようで、歩いて登園するようになった。

子どもの機嫌が悪かったり、道草食ったりしてちっとも進まない日もあるけれども、手をつないで毎日歩く。育児はしてもらえなかったことを子どもにやりたくなるものである。

子どもは他のお友だちのおうちの子乗せ自転車が羨ましく、「あたちも乗りたい!」らしい。