包丁の刃こぼれ
愛用の包丁が刃こぼれしているのに気がつきました。いつどうやって刃こぼれしたのかは分からなくて、気がついたら刃こぼれしていました。もうかれこれ……7年くらい使っています。自力で研いでも修復できないので、近々買ったお店に持っていかなくては。
なぜ買ったのが7年前と明確に思い出せるのかというと、次のような事情であります。
当時は婚活中で、デートの予定を入れまくっており、もう行き先を考えるのがめんどくさくなっておりました。だいたい初回はごはんを食べに行きます。2回目や3回目に続くようならごはんじゃない場所へ行きます。
私は東京生まれ、東京育ち、お金がそこまでかからず歩いて楽しい東京をたくさん知っていると思っておりました。動物園、水族館、美術館、博物館、神社、仏閣、洋館、庭園、あとはあとは……。
でもねぇ、2回目の行き先は、私が考えることかい? 3回目くらいまでは男子が頑張って考えてくれないでしょうか?(若気の至りというよりただの傲慢) 考えるのが面倒になって、水族館の年パスを買い、別な方を何度かお連れしたりしました。年パス、お連れ様も割引が利くのでお得ですね。でも、そうやって連れて来た方は「やっぱり、この人はないわ。さよーならー!」となりがち。
とりあえず同じ人と3回は会え!という婚活界の教え(?)を忠実に守っていたためにこういう事態になっていたのです。当時の私に会えるなら、「この人はないわ」を確認するために会うのはお互いに時間とお金の無駄だと教えたい。デートコース考えるの面倒だったら、会いたくないんだよ、そりゃ無理だよ……。
で、このときも、今では顔も名前も覚えていない誰かと2回目か3回目のデートの予定を入れ、どこに行くか聞かれて考えるのが面倒に思っているときでした。3年くらい使った安物の包丁がだいぶなまくら化していて、ちょうど包丁を新調したかったので、この買い物とデートをいっぺんに済ますために、かっぱ橋に行くことにしたのです。
かっぱ橋は有名な料理道具の問屋街であります。このとき分かったのは、料理をしない人とかっぱ橋に行っても全く話が盛り上がらず、全然おもしろくないということ。食品サンプルの他、ありとあらゆる形のクッキー型や、お皿、何に使うかよく分からない道具もいろいろ、料理しなくても楽しく見られるものはたくさんあると思うけどなぁ……。
話は全く盛り上がりませんでしたが、包丁の専門店でお気に入りの包丁を選ぶことができました。包丁というとこれという三徳包丁より、ひとまわり小さなペティナイフ。そのペティナイフだけでもずらりと並んでいて、その中からお店の方の説明を聞いて、手に持たせてもらって選びました。イメージは、ハリー・ポッターのオリバンダーの店(魔法の杖の専門店)。手が小さいし、肉や魚は切ってあるものを買うので、料理はほぼ全てこれでやります。小回りが利いて良し。
というエピソード記憶になっていたので、婚活を頑張っていた年だと分かり、7年前だ!と分かったのでした。このときの婚活男子ももう結婚してお幸せに違いありません。知らんけど。そうあってほしい。
男子の顔も名前も忘れましたが、包丁の箱を取ってあったので、お店の名前は分かります。コロナ禍を挟んでいるけど、お店は健在かしら? 修理できるなら修理を、もう寿命だったら新しいものをお願いしなくては。